インスタントポット保温機能の時間と温度は?甘酒・醤油麹の失敗無しの作り方も!
「インスタントポットがあれば、納豆やヨーグルトがめーーちゃカンタンに家で作れた~!」
と感動した2020年。
コロナ禍中すっかりインスタントポットにハマった私でしたが、
「インスタントポットでもっと発酵食レパートリーを増やしたい!」
と思っていたところ、
インスタントポットの保温(KeepWarm)機能が麹の発酵に最適だった!
という大発見。
さっそく《麹》という新たなバクテリアちゃんとのバトル開始!
まずは、基本の
《甘酒》《醤油麹》
にチャレンジしたところ…
インスタントポットの『保温機能』を使えば
お店で買えば高い甘酒や醤油麹が、混ぜてほったらかしで超カンタンに手作りできちゃいました!
めんどくさい手間は一切ナシ♪あなたも今すぐ作ってほしいです!
もくじ
インスタントポットの保温(keepWarm)機能の時間と温度

※型式により若干配置が異なります
インスタントポットに搭載されている、保温(KeepWarm)機能。
インスタントポット公式サイト(英語)によると、保温(KeepWarm)機能の設定時間と温度(※1)がこちら
・保温機能の温度は摂氏145〜172°F(=62℃~77℃)
・ただし炊飯の場合は2時間以上の保温はおススメしない(※2)
(※1)念のためお使いの型式の取扱書を確認下さい
(※2)一般的な炊飯器の保温機能と違い、炊いたお米をそのまま放置しておくとカピカピになります
保温(KeepWarm)機能は、ボタンを押すごとに
▼Less (低)
▼Normal (中)
▼More (高)
の3段階で温度が調節できるようになっています。
実際にお湯を張った状態で、蓋を閉めた状態のお湯の温度と、蓋が無かった場合のお湯の温度を計ってみました。
保温モード | 蓋を閉めた状態(※1) | 蓋無しの状態(※2) |
Less (低) | 60.4℃ | 59.6℃ |
Normal (中) | 63.5℃ | 61.8℃ |
More (高) | 74.6℃ | 72.0℃ |
(※1)10分ほど蓋をした後、蓋を開けた直後のお湯の温度を計りました。
(※2)10分ほど蓋を開けっ放しにした後の、お湯の温度を計りました。
筆者が個人的に、型式DUONOVAでそれぞれ3回計測した平均値になりますので、メーカーが保証するものではありません。
図のように、同じ保温モードでも、蓋が無い状態のほうが、
蓋を閉めた状態よりも、1~2℃ほど低い温度ということが分かりました!
保温のNormal (中)モードで60℃をキープ!
仮に「手作り甘酒レシピ」「手作り醤油麹レシピ」とネット検索すると、
だいたいはヨーグルトメーカーや炊飯器を使って作るレシピが多いのですが、
目的はどちらも《60℃》という温度を6~8時間保つため。
そうなんです、実はインスタントポットに搭載している
『保温(KeepWarm)機能のNormal(中)モード』
も、同じくらい最適な温度(60℃)というワケ!
米麹(こめこうじ)とは?
「米麹(こめこうじ)」は蒸した米に麹菌を付着させて、繁殖・発酵されたもの。
そもそも麹(こうじ)とは、米、麦、大豆などに、麹カビという食品発酵に有効なカビや微生物を繁殖させたものです。
いわずもがな、麹は日本の伝統的な食文化「発酵」の始まりとされていて、
そのルーツは奈良時代頃までさかのぼるのだとか。
麹カビは、デンプンやタンパク質などを分解する酵素を生産・放出しながらどんどん増殖します。
麹カビの産生した各種分解酵素の作用を利用して
日本酒、味噌、食酢、漬物、醤油、焼酎、泡盛など、
あらゆる発酵食品が製造されていて、日本食には欠かせない存在です。
そして、米麹を使った発酵食品と言えば「甘酒」「みりん」「味噌」のほか、
「塩麹」「醤油麹」は家庭で手作りできる万能調味料としてすっかり定着しています。
麹菌の発酵温度・死滅温度
麹カビ菌は、増殖するためには酸素が必要な好気性菌(こうきせいきん)のため、
密封状態の場所や、15℃以下では働かないのだそう。
淡路島の「かわばたや」さんというお味噌屋さんのブログによると、
麹菌が一番繁殖する温度は人肌の温度の36〜37℃前後。
ちなみに麹菌が死滅する温度は80℃以上とのこと。
60℃前後は、麹の中のアミラーゼという酵素が一番働く温度、
甘酒などお米のデンプンを糖に変える時(=糖化)に適温です。
60℃前後で米が糖化することで甘くなりますが、麹菌は死滅しないものの、かなり弱まった状態です。
ですから、色々な酵素を働かせたいときは20℃以上の室温で
じっくり1週間ほどかけて、常温のまま時々混ぜながら発酵させても、甘酒・醤油麹・塩麹は作れます。
今回は、1週間も待てない・めんどくさい&万一腐敗して失敗したら凹む(笑)
ので60℃保温8時間の時短ワザを使いますが、
それにしても麹って生き物なんですね!大切に扱ってあげないと笑
生麹と乾燥麹の違い
麹には大きく分けて「生麹」と「乾燥麹」があり、
一般的に「麹」というと、「生麹」のことをいうのだとか。
▼生麹
▼乾燥麹

生麹はブロック状になっていて、乾燥麹は見た目は大き目の米粒のようなのですぐ見分けられます
米麹はカナダでも買えますが、輸入品のため日本で買うよりめっちゃ高い…!
“koji rice”として通販で買える米麹も、値段は同じくらい高価なものでした。
(⇒米に麹菌を培養してお家で米麹をつくる方法はあるので、現在模索中!)
生麹 | 乾燥麹 | |
保存期間 | 要冷蔵で3週間 | 常温で5カ月OK |
冷凍保存 | 3ヶ月くらい | – |
値段(100g当たり) | カナダ450円~ 日本120円~ | カナダ500円~ 日本150円~ |
値段は、乾燥麹のほうが生麹より1割くらい高いイメージ。
「生麹」は麹の力が強いのですが、雑菌に弱いため、保存期間は短め。
要冷蔵で3週間ほどは保存可能、(麹の力は下がってしまいますが)冷凍庫なら3か月ほど保存可能。
「乾燥麹」は生麹の水分を飛ばして乾燥させたもので、雑菌に強く常温で長期保存が可能で、
商品にもよりますが、3~5か月ほどは常温保存可能。
味や栄養価は「生麹」と変わらないといわれています。
米麹1合の容量と重さは?
1合180ml(cc)の重さ | 100ml(cc)の重さ | |
お米(生米) | 約150g | 約83g |
乾燥麹 | 約120g | 約66g |
お米の1合180ml(cc)当たりの重さは、約150gと言われています。
乾燥麹の重さを実際に測ってみたところ、
お米は1ml=0.83g、乾燥麹は1ml=0.66g
という結果でしたので、やや乾燥麹のほうがお米よりも軽くなります。
ちなみに、良い麹の重さは、(生麹の場合は)麹の重量がもともとのお米のおよそ20%増になっているのが良いのだとか。
20%をこえると水分が多すぎ、10%以下だと水分が少なくあまりいい麹ではないのだそう。
米麹のカロリー
米麹は栄養豊富ではありますが、もともと「米」なのでもちろんカロリーは高めの食品です。
今回購入した乾燥麹の栄養表示を見てみましょう
お米(ご飯)のカロリーは一般的に100gだと168kcalのカロリー(炭水化物28g、たんぱく質2.8g)
米麹はお米の約2倍近くのカロリーがある計算になります。
お米と米麹でつくる甘酒は栄養満点ですが、かなり高カロリーな飲み物。
甘酒のカロリーは1杯あたり90kcal~120kcalもあります。

甘酒は美味しくても1日に湯のみ1杯程度が適量です、飲み過ぎ注意!
インスタントポットの保温機能で作る甘酒レシピ
「手作り甘酒レシピ」とネットで検索すれば、今や150万件以上ヒットします。
色んなサイトでレシピの紹介や体験談がありますが、やはり
甘酒の一番おいしいレシピは甘酒の会社に聞くのが一番!
ということで、カナダで購入した米麹の製造元「ヤマク食品」さんおすすめの
《美味しい甘酒の作り方》を、原文そのまま一部を、下記に転載させていただきます
▼ヤマク食品の乾燥麹1袋220gで9.9ドルもしました( ゚Д゚)
《ヤマク食品おすすめ甘酒の作り方》
- 炊飯ジャーにごはん400gと70℃のお湯1000cc(1L)をいれる
- まぜて温度が60~65℃になったら、1袋(220g乾燥麹)を入れて混ぜる(55~60℃に下げる)
- 炊飯ジャーで保温する場合は蓋を開けて布巾をかける。8時間前後で飲みごろに
- 2週間くらいは冷蔵保存可能 (出来上がりは1.5リットル)

これは炊飯器のお釜の中で甘酒を作る方法!保温はヨーグルトメーカーを使ってもOK
用意するもの
▼先ほどのヤマク食品のレシピで、実際に半分の量で作ってみました▼
- 米麹(乾燥)110g
- 炊いた温かいままのごはん200g
- 60~65℃のお湯500cc
- 計量カップ(ガラス製)
- 料理用温度計
- しゃもじ
※念のため、事前に使う容器や道具は5分ほど熱湯消毒してください。
▼沸かして60~65℃まで冷ましたお湯500cc+ご飯に米麹を投入▼
▼お米と麹をまぜまぜ中~♪温度は55~60℃まで下げます
▼インスタントポット内釜にそのまま投入(内釜に水を張る必要はありません)
ちなみにこれはインスタントポットの6Lタイプ。
内釜に入らない場合は清潔な容器に入れ替えてくださいね。
▼ タオルをかぶせて『保温機能』で8時間にセット!
【インスタントポットの設定】
- 『KeepWarm(保温)』を押す(“Normal”表示確認)
- 『+』を押してタイマー8時間にセット
- 数秒したら自動で保温開始
▼ 蓋は使いません。上から普通の乾いたタオルをかぶせているだけです
このとき
「発酵途中は中の乾燥を防ぐため、濡れタオルにする。途中1回はタオルを交換する」
という声もありましたが、めんどくさいので却下(笑)
▼発酵途中にちらっと中の温度を計ってみると…57~58℃とちょうどいい温度!
もし、思う様に温度が上がらなかったら、タオルを厚手にしたり2重にすれば温度調節できます!
4時間くらい経過したら、一回かき混ぜることも、美味しくなるポイント。
▼ほったらかしで8時間放置で完成!白くておいし~いヤバい飲み物ですw

そのままでも美味しいですが、私は一度軽くミキサーにかけて口当たりを滑らかにしました!
▼ヤマキ食品によると2週間は冷蔵保存可能とのこと
※容器はダララマ(カナダの100均)で見つけたボトルです

みりんも麹とお米で出来た調味料、甘酒で代用にピッタリ!おすすめですよ~!
手作り甘酒は、常温だと発酵が進むため必ず冷蔵庫で保存します。
数日経ったものは飲む前に念のため火入れをして、
見た目や味の変化を確認しながらなるべく早めに飲み切ります。
生姜をしぼって温かくして飲むも良し、料理の下味や砂糖の代用として、幅広く使えます。
生麹を使う時は?
今回は乾燥麹を使いましたが、生麹を使う際は
の割合がちょうどいいですよ!
《材料例》
- 米麹(生)250g
- 沸かして60~65℃まで冷ましたお湯500cc
1:2はあくまで目安。濃くてドロドロした甘酒が好きな方は、1:1の割合でもOK!
手作り甘酒の温度の注意点
米麹で作る甘酒は、温度管理がもっとも大事です!
麹を入れたら、品温(甘酒の温度)は70℃以上にならないように、58~60℃をキープする事が大事です。
70℃以上を超えると麹菌は死んでしまい、糖化が進まずに甘くない甘酒になってしまいます。
甘酒のお米の芯、粒々が無くなる方法
米麹は、最初は硬い米粒ですが、糖化していく際にどんどん柔らかくなります。
今回紹介したやり方は、60℃で8時間保温にしていますが、
約18時間保温すれば、麹を完全糖化することができます。
麹が完全糖化すると、米粒の芯が無いトロットロのもっとあま~い甘酒になります。
いろいろと途中でかき混ぜたり、早く甘酒を飲みたい!と言う気持ちはありますが、
時間に余裕があれば、発酵する酵素たちを信じてじっくり待ってあげましょう~!
インスタントポットの保温機能で作る醤油麹レシピ
続いて醤油麹にも挑戦!
醤油麹は、旨味成分・グルタミン酸がなんと塩麹の10倍以上なんだとか!
さっそく
米麹(乾燥):お湯:醤油=約2:2:1
の容量で、甘酒の要領と同じように作ってみました!
▼ぶっちゃけ、容量はおざっぱで大丈夫!温度だけキッチリ計れば失敗無し▼
《醤油麹に使うもの》
- 米麹(乾燥) 1合180ml(cc) 重さ約120g分
- 60~65℃のお湯180ml(cc)
- 醤油100ml(cc)
- 計量カップ(ガラス製)
- 料理用の温度計
- しゃもじ
《醤油麹の作り方》
- 60~65℃に冷ましたお湯に同量の米麹を入れて混ぜる
- 醤油を入れ、ひと混ぜする(醤油は常温のままで入れてOK)
- インスタントポットの蓋は開けたまま布巾をかける
- 8時間保温(KeepWarm)セット
《コツ》
米麹(生)を使う場合は、100gに対して、醤油は同量の100ccの割合で、お湯は不要です。
途中2,3時間くらい経過したら、一度様子を見てください。
もし、麹が醤油を吸って水位が下がり、麹の粒々が表面に見えていたら、
ひたひたになる位まで醤油またはお湯(常温でOK)を適量足して、かき混ぜます。
▼8時間ほったらかしで醤油麹が出来ました♪
▼麹の粒が気になる場合は、出来上がってからスプーンの外側でつぶします
▼冷蔵庫で3ヶ月ほど保存可能です
ジャム容器はダララマで8個3ドルの瓶の入れ物。

醤油麹はもろきゅう味噌のような濃厚な味わいで絶品!お刺身や豆腐に直接かけて食べてます!
インスタントポット保温機能の時間と温度!甘酒・醤油麹作り方まとめ
インスタントポットの《ヨーグルト機能》で作ったヨーグルトと納豆が、
ビックリするほどカンタンに激安なのに美味しくできてしまったので、大感動。
そして今度はインスタントポットの《保温機能》で甘酒や醤油麹まで手作り出来て、
冷蔵庫の中は発酵食品の大渋滞(笑)。
ただ、今のところ米麹はカナダで買うと値段がバカ高い、、というのが一番のネック。
でも、米麹もお家で手作り出来るハズなので、レシピが完成したらまた発信したいと思います!