カナダの国旗が変わった理由!昔はカエデの葉っぱじゃなかった!
カナダの国旗といえば「赤・白・赤」にカエデの葉っぱが大きく描かれているデザインでお馴染み。
シンプルだし、赤白という配色も日本の国旗に似ていて、なんだか親近感持てますよね。
実はこのデザイン、昔は全然違ったデザインだったというのはご存知ですか?
カナダは2017年に建国150周年を迎えたばかりの、歴史的にも「国」としては浅く世界的にも有名な多民族国家。
なかなか統一したものを決定するということは大変なようで、「国旗」にもその特徴が現れているようです。
今回は
- カナダの昔の国旗・変更された歴代デザインはどんなもの?
- なぜ現在は“カエデ”なのか
などお伝えしたいと思います。
現在のカナダの国旗になったのは「1965年2月15日」
赤・白・赤の縦しま模様・真ん中には赤いサトウカエデ(Sugar maple)の葉が大きく描かれているカナダの国旗。
実はこのデザインに決まったのは、
1965年2月15日・カナダ国旗の日(National Flag of Canada Day)
が制定されて以来なので、歴史的には50年あまりと比較的日が浅いデザインなんです。
では、それ以前はどんな歴代の「カナダの国旗」があったのでしょうか。
簡単にカナダ史年表と照らし合わせてご紹介します。
カナダの歴史=国旗の変更の歴史
北米大陸にある広大なカナダの地は、少なくとも11世紀ごろから、既に多くの先住民族が暮らしていました。
現在の国旗になるまで、デザイン変更回数はじつに10回以上を超えています。
ざっくりですが、大まかな歴史と編成は次の通り。
できごと・時代 | 年史 | 当時の旧国旗 |
16世紀フランス植民地時代 | 1534年~フランスの国旗を使用→ | |
17世紀イギリス植民地時代 | 1763年~イギリスの国旗を使用→ | |
1867年 自治領カナダ誕生 | 1868~1921年まで使われた国旗→ | |
1965年2月15日(国旗の日)より、現在のデザインに決定 |
16世紀・フランス植民地時代
カナダの歴史は、1534年にフランス人のジャック・カルティエがやってきたところから始まります。
「Canada/カナダ」という言葉は、
当時の先住民の言葉で、“村・開拓地”という意味の単語
「kanata/カナタ」に由来します。
当時はまだ「国」では無いため、フランスの植民地として、フランス王室の紋章が入ったフランスの国旗が使用されていました。
17世紀・イギリス植民地時代
1744年に、フランスとイギリスの間でジョージ王戦争が勃発すると、イギリスがフランス領をだんだんと占領していくようになります。
カナダの地も、1763年には完全に全土がイギリスの植民地となり、国旗もイギリスの国旗(※ユニオンジャック)に変わります。
1867年7月1日「Canada」の建国記念日
イギリス植民地が次々に統合され、連邦国家として自治領Canadaが誕生します。
晴れてようやく「カナダの国旗」と言えるのもここからが始まり。
毎年7月1日は、
「建国記念日=Canada Day」
としてお祭り騒ぎ♪
1931年にはイギリスから完全に独立し、自治権を持つ国家「カナダ」となれるのですが、
国旗については、現在のシンプルデザインになるまでここからが大変( ;∀;)!
百聞は一見に如かず、まずはこちらの複雑怪奇なデザイン編成をご覧ください↓
使われた年代 | 旧国旗 | 右模様拡大 |
1868~1921年まで | ||
1921~1957年まで | ||
1957~1965年2月14日まで |
赤をベースに、左側のイギリスのユニオンフラッグの存在感は残したまま、右側がごちゃごちゃしてますね。
よく見ると、フランス王室のデザインが復活していたり、カエデの葉に動物・楽器や船など、とにかくいろいろと詰め込まれています。
「苦肉の策で合体したらこうなりました」感が否めません。
カナダは連邦国家で州ごとで自治も認められていて、
先住民の人たちもいれば、植民地時代もフランスからイギリスへ移り変わり、世界中からも移民を受け入れている超多民族国家。
風土も風習もバラバラなもの全てを尊重して、国の象徴として一つにまとめる「国旗」の決定は一筋縄ではいかなかったようです。
なぜ最後にカエデの葉っぱになった?
1945年にカナダの議会で、国旗を制定する決議案が提出されたのを始まりとして、1964年には
「Flag Debate(フラッグディベート・国旗論争)」
と言われる半年以上もの長い間、カナダ議会で討論が行われました。
世論調査もカナダ全土で行われた結果、やはり多くの人々が望んでいたのは、
- 国旗は他国とは完全に異なること
- カエデのかデザインをなんらかの形で取り入れること
でした。
そして、1965年、最終的に決定された今の国旗。
さっきのごちゃごちゃを見ると本当にシンプル、なんだかホッとしました(笑)。
真ん中に描かれているのは「カエデ(楓)の葉」です。
>>現在のカナダ国旗の赤白の意味や由来・歴史も簡単に説明するよ!
楓は英語でメープルmaple、カエデの葉はメープルリーフmaple reaf。
カナダの特産品メープルシロップは「カエデ」の樹液を煮詰めて作られていて、
栄養価が高くてカロリー控えめ、世界のメープルシロップの8割以上は実にカナダ産です。
メープルシロップは、フランス人がカナダに入植するよりもはるか昔から、
先住民族の人たちによって栽培され、大切な栄養源として作られてきました。
- カナダのルーツである先住民からずっと受け継がれてきたもの
- 時代が変わっても、万国共通で美味しいと感じられる甘味
- 何でも合わせやすい万能シロップ
- カナダ全土で見ることが出来る植物
などの理由が、カナダの象徴としてピッタリだったため、カエデに落ち着いたようです。
ちなみにデザインのカエデの葉は、先端と枝部分を合わせて12ヵ所になっていて、
カナダの10州と2準州の合計数を表すことで、一体感を出すようにデザインされています。
(現在は3準州・ヌナブト準州は当時無いので含みません)
カナダの国旗が変わった理由!昔はカエデの葉っぱじゃなかった!まとめ
すっかり見慣れた今のカナダ国旗のデザイン、
昔からのデザイン編成をみてみると、たどり着くまでにはかなり長い道のりがありましたね。
最終的には「カエデの葉」という、誰もが納得する象徴のものでシンプルに落ち着いて本当に良かったです。
国旗ひとつとってみても、政治や歴史も移り変わりも垣間見れて調べると面白いことが沢山あるものです。
現在の国旗デザインに込められた赤白の意味など、詳しい続きは
>>現在のカナダ国旗の赤白の意味や由来・歴史も簡単に説明するよ!
も一緒にチェックしてくださいね!
Comment
カナダの国旗のデザインって、他の国にはないデザインなのですごく素敵ですよね。
なぜこのデザインになったのか?
歴史が知れて凄く面白かったです^^