思わず二度見!カナダ先住民の文字がまるで宇宙文字だった件
カナダのヌナブト準州で特に多くみられる、イヌイットの人たちが使う「イヌクティトゥット語」。
街中でみる道路標識などは、英語と並列して書かれています。
引用:greatworldgetaways.com
必ずカミカミになってしまうこの「イヌクティトゥット語」は、
なんとも不思議な文字…というより「造形」。
おもわず二度見してしまいますよね。
私はカナダにくるまで
“カナダ先住民=イヌイットの人たちのこと?”
という浅くうすっぺらい知識しかなかったのですが、いろいろ調べてみた結果、
それは大きな大きな間違いでした( ゚Д゚)。
“ヤバい!カナダに住んでるのに先住民について最低限のことも知らないなんて、この先ゼッタイ恥をかいてしまう!“
と慌てたのは言うまでもありません(汗)
そこで今回は、「カナダ先住民」といわれる人たちのグループ名や種類、
実際に使われている代表的な文字(言語)など紹介したいと思います。
カナダの先住民は3つのグループに分けられる!
「カナダの先住民」=イヌイットだけではなく、実は大きく3グループに分けられています。
カナダの憲法で規定されている先住民(Aboriginal)の定義は、以下の通り。
①ファースト・ネーション(First Nations)… 北米中心の人々
②メティ(Métis)…先住民とヨーロッパ人の両方を祖先とする人々
③イヌイット(Inuit)…北極地方の人々
①ファースト・ネーション( First Nations)
北米に多く住んでいる先住民族の総称。
アメリカ合衆国では、ネイティブ・アメリカン(Native American)と言われるため、
それと対照にしてネイティブ・カナディアン(Native Canadian)が一般的かと思いきや、どちらでもなく、
ファースト・ネーション( First Nations)
と言うのが正解です。
50以上の民族がそれぞれ独自の言語を有し、630を超えるファースト・ネーションの共同体があるといわれています。
ファースト・ネーション=先住民族インディアン?
ファースト・ネーションは、カナダの憲法上では、
“インディアン(Indian)”
という言い方で、イヌイットとメティを除く先住民(Aboriginal peoples)を指す用語として用いられていましたが、
これを不快と感じる先住民の人たちの声が多かったため、
“ファースト・ネーション( First Nations)”
という呼称が1970年代から一般的に使用されています。
ですので、カナダでは先住民の人たちのことをインディアン(Indian)というと、失礼とみなされるため注意が必要です。
②メティ(Métis)
フランス語が由来のメティ。
ファーストネーションとヨーロッパ人の両方の混血子孫が中心です。
③イヌイット(Inuit)
イヌイット (Inuit) は、エスキモー系諸民族中でも最大の民族で、人種的には日本人と同じモンゴロイドの顔かたちをしています。
カナダ先住民の数は?
Statistics Canada(2011)の調査よると、先住民の数は約140万人、
カナダ全人口の4.3%にもなりるので、カナダ人の約20-30人に1人は先住民の人という事になります。
グループ別 | 人数 | 割合 |
ファースト・ネーション | 851,560人 | 60.8% |
メティ | 51,795人 | 32.3% |
イヌイット | 59,445人 | 4.2% |
その他(複数民族) | 37,890人 | 2.7% |
内訳としては、最も多くの先住民が住んでいるのがオンタリオ州で、先住民全体のうち20%以上・約30万人(2011年時点),
バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア‘(BC)州は2番目に多い州で、全体の16.6%に当たる約23万2,000人の先住民が住んでいます。
ですから、先住民のなかでも全先住民の60%以上を占めている、
「ファースト・ネーション」というグループの人たちが、実際は生活に一番身近な先住民族になります。
カナダの先住民文字・ポピュラー言語3つ
“カナダの先住民“と言っても、
- ファーストネーション
- メティ
- イヌイット
と大きく3つのグループに分かれるとは知りませんでした。
更にその中でも多種多様な民族やグループ・共同体があり、それぞれ言語や文化も異なります。
ですから、
『カナダの先住民文字(Canadian aboriginal syllabics)』
と言っても、それは一言語を指すのではなく総称名、
中でも代表的な3言語を紹介します。
①クリー語(Cree)…ファースト・ネーションのクリー族が中心の言葉
②オジブウェー語(Ojibwe)…ファーストネーションのオブジワ族が中心の言葉
③イヌクティトゥット語(inuktitut)…イヌイットが主に話す言葉
です。
Canadian Aboriginal Syllabics = one of my favorite writing systems. Read about their interesting history and usage here: https://t.co/NyHyIRsh1F (Image from Blue Quills University) pic.twitter.com/W4MDtUFZYz
— Matt Baker (@usefulcharts) 2018年4月14日
1840年にイギリス人の宣教師・ジェームズ・エヴァンズ(James Evans)よって初めて考案されたといわれていて、
もともとは、デーヴァナーガリー(ヒンディー語で使われるインド表音文字のひとつ)に由来しています。
これら3言語だけでも「△」など共通した形も多くありますが、
違いや文法の細かいところまではパッと見はどれも同じに見えてしまうので違いが全然分かりません。
“ざっくりこんな感じですよ~“
としか紹介できないのですが、そこはどうかお許しください( ;∀;)
①クリー語(Cree)
カナダのアルバータ(AB)州からラブラドール(NL)州にかけて、約5~6万人以上の間で話されている言語で、
クリー語はさらに方言が9つに分類されると言われています。
引用:Wikipedia
②オジブウェー語(Ojibwe)
カナダ・アメリカ五大湖周辺の約6万人のオジブワ族により話されている言語。
引用:Wikipedia
《関連記事はこちら!クリック↓》
オジブワ族の故郷・カナダ初の複合遺産ピマチオウィン・アキとは?
③イヌクティトゥット語(inuktitut)
「イヌクティトゥット」とは、「イヌイットのように」という意味で、
カナダ北部のに住むエスキモー系民族の「イヌイット」の人々およそ35000人以上に話される言語です。
引用:Wikipedia
引用:http://www.tusaalanga.ca/node/2502
イヌクティトゥット語は、ヌナブト準州とノースウェスト準州で公用語となっています。
イヌクティテゥット語が見てるだけで面白いとSNSで話題
3つのカナダ先住民文字の中でも、一番日本になじみがあるものと言えばやはり
『イヌイットの人たち』
ではないでしょうか。
- 宇宙語みたいでカッコイイ!
- パズルみたいでフシギ
という意見多数。
幾何学文字のようなイヌクティトゥット語は、見ているだけでフシギな気分になるようです。
一昨日からiPhoneの設定言語を
イヌクティトゥット語にしてんだけどこれがまた使いにくい使いにくい pic.twitter.com/vFKbRbi6Ut— よっしぃ (@yosshy_999) 2017年9月9日
イヌイットの言語、イヌクティトゥット語の文字、すごく格好いいな。SFっぽい。https://t.co/rpldfUPSXc https://t.co/B8GHKu5LCU pic.twitter.com/Z4lDnXpyFG
— MATSUANDTAKE (@mtandtk) 2017年3月2日
ちなみに私「ハナ「はこんな感じになりました☆ ぜひ遊んでみてください↓
イヌクティトゥットの文字で遊んでみる!自分の名前を一発変換できるサイトはこちら
カナダ先住民の文字がまるで宇宙文字だった!まとめ
『カナダ先住民』と一言でいっても
- 大きく3グループに分けられている
- 先住民の人たちを「インディアン」というと失礼になることがあるので注意!
- カナダの先住民は「ファーストネーション」と言われる人達が約60%と一番多い
- カナダ先住民文字の中でも「イヌクティテゥット語」が面白い!と密かに人気
などお伝えしました。
どんな国でも、もちろん日本であっても、本来は『先住民』・『非先住民』という区別自体せずに、
平等に社会面や経済面において同じ権利を持つことが一番理想的だと思います。
日本に住んでいた時は、そんなことすら考える機会はありませんでしたが、
カナダに住んでいると、それを直に感じたり関連ニュースを耳にすることも多いなと思います。
バンクーバーの有名な観光地、
- スタンレーパークのトーテムポール
- イングリッシュベイのイヌクシュク
はまさにカナダ先住民ゆかりの地といえますね。
歴史や背景を知ると、また趣があって違った見方ができるので楽しいものです。