カナダの動物ムース(ヘラジカ)がでかい!大きさはトナカイの何倍?
みなさんは、シカと言えばどれくらいの大きさを想像しますか?
⇑人間の腰よりちょっと高めで背高1mくらい・きっとこれくらいでしょうか。
シカっていうと草食系で、スラッとしたキャシャな細足。
鹿せんべいさえあげていれば、大人しくなついてくれるイメージじゃないですかね。
だが、シカーーし!
シカはシカでも…
ゾウやキリンほどデカくて、
大雪の中でも大爆走できて、
出会ったりなんかしたら100%気絶するほどおったまげる鹿が…
カナダにはいるぅぅーーー!!ヒィィ~!!( ゚Д゚)
その名は、
日本名は「ヘラジカ」という、世界最大で最強の「シカ」です。
足と顔が長ーーいトナカイみたいな巨大牛!?
という感じ。
- ムース(ヘラジカ)って何なの?
- シカやトナカイに比べて何倍くらいデカい?
- なぜカナダのシンボル的な動物と言われるのか
などムースについて詳しく紹介します♪
世界最大の巨大鹿ムース(moose)ってどれくらいデカい?
百聞は一見に如かず。
ムースの生態を説明する前に、まずはその大きさを見ていただきましょう。
これは、筋肉ムキムキタレントでおなじみの武井荘さんが、
「百獣の王を目指すきっかけになった」
とおっしゃった、当時アメリカ留学中だった時のTwitterのつぶやき。
オレが百獣の王を目指すきっかけになったのは、山で巨大な鹿に遭遇して生命の危険を感じたから。。鹿?って言われるけどな。。鹿馬鹿にすんなよ。。馬鹿みてえにデカい鹿いんだから。。 pic.twitter.com/VqFF0QYLnt
— 武井壮 (@sosotakei) 2014年4月22日
で、でか!!!!
低く見積もっても体長・肩高ともに2.5m以上はあろうかというデカさ!
「鹿を馬と説明してウソをつくから“馬鹿“」だなんて冗談を言っている場合ではありません!
それは世界最大の「鹿」、ムースです!すぐさま逃げてください!!
@sosotakei 写真はネットで拾ったやつですけどカナダのムースはとんでもなく馬鹿デカくて凶暴です(´Д` ) pic.twitter.com/Gx5ZC36DE3
— そるてぃ★≡(⊃^-^)⊃ (@shionigirikonbu) 2014年4月22日
やっぱりデカい…( ゚Д゚)
周りの木が小枝にみえますね。
こんなのがいきなり現れたらビックリしすぎて白目向いて倒れそうです。
ムース(moose)は車との衝突事故が後を絶たない
カナダでは身近にみられる野生動物ムース。
山道を車で走っていると普通に遭遇していしまう鹿なので、
深刻な車との衝突事故が多く発生しています。
野生動物との衝突事故件数
ムースに限らず、カナダで野生動物との衝突事故といえば
- Deer(鹿)
- Moose(ムース)
- Bear(熊)
- Caribou(トナカイ)
がトップ4に挙げられます。
【カナダ・ケベック州の野生動物と車の衝突事故数データ】
(データ参照元:https://www.tc.gc.ca -Statistical Review-)
ムースとの接触事故が特に多いとされるケベック州だけでも、野生動物と車の衝突事故は年間2,000件以上、
ムースだけだと年間300件近くにもなります。
悲しいことに、このうち2%ほどは人の死亡事故に至ってしまうとのこと。
画像引用:http://nationalpost.com
ぶつかった衝撃でムースの細くて長い脚が折れ、
大きな体が車の方へ倒れこみ、フロントガラスをぶち破り車の天井を破壊するほどのダメージ。
エアバッグが発動しても、ほぼ意味がありません。
バンクーバーのダウンタウンに住んでいる私は、まだ一度も遭遇したことはありませんが、
もちろんここブリティッシュコロンビア州の自然の多い場所にも生息しています。
ムースを含む野生動物との接触事故を防ぐため、
- 道路標識を立てて注意を促す
- フェンスを設けて動物の横断防止
など、事故防止のための対策は各州や自治体ですすめられているので
今後も事故数が減ることを祈るばかりです。
ムース/ヘラジカの大きさ・生態・特徴・性格
ヘラジカが、カナダを含む北アメリカでは「ムースmoose」と言われる理由。
言葉の由来は、カナダ先住民・アルゴンキン族の
「木を食べる動物」
という意味から来ています。
名のとおり、他のシカがあまり食べない、木の枝や樹皮が大好物。
高いところに口先を伸ばすのにも適した長い顔をしています。
ヘラジカのヘラは「箆・ヘラ」のように平たい角を持つことが和名の由来です。
別名「オオジカ」と言って、氷河期時代から生存する種として知られています。
和名 | ヘラジカ(箆鹿) / オオジカ(大鹿) |
英名 | Moose ※ヨーロッパではElk |
学名 | Alces alces |
体長(大きさ) | オス2.4~3.1m / メス2.3~3.0m |
体重 | オス380~700kg / メス200~490kg |
寿命 | 野生で最長22年(普通は15年前後) |
分布 | 北アメリカ・ユーラシア大陸中心 |
食べ物 | 木の枝や水草など |
性格はやっぱり狂暴なの?
ムースは、シカ科で最大種・北方に生息する哺乳類動物の中でも最大級の動物。
平均的なオスでも、
体長280cm・肩高210m・体重600kg くらいとかなり大型。
見た目は怖くて狂暴そうですが、威嚇するような悪さをしなければ襲ってくることはありません。
人になつくと可愛い一面もあります(*’ω’*)
食べ物
大きな体をしていますが、草食です。
地面に落ちた木の実、ヤナギ、マツ、カバノキ、ポプラ、モミなどの葉っぱや枝・樹皮さえも食べます。
水場を好むため、夏には水草も食べることもあるんですよ。
生息地・分布
ムースは、北海道よりちょっと高めの緯度・アラスカ・カナダ・ヨーロッパ諸国を中心に、
水辺の森がある寒い地域に広く生息しています。
森林限界(=高木が生育できず森林を形成できない限界線地帯)の高原や、
アラスカの大都市・アンカレジやフェアバンクスでもよく見かけます。
ムースのウォッチングシーズン
ムースは年間を通じて遭遇できる野生動物。
森林で柔らかい若枝や葉が食べられない冬になると、市街地に降りてくる姿もよく見かけます。
特徴
ムースの特徴はデカさだけではありません。
走るのが速い!
時速50㌔はでるらしいです。なんと1mの積雪の中でもこの速度。怖すぎる…
泳げる
足が早いだけでなくムースは泳ぎも得意。
数キロ先まで泳ぐことができ、約5メートルの深さまで30秒間も潜れるのだとか。
冬は群れを作り、オスは鳴く
ムースは何十頭も群れて行動しません。
- 【夏】主に単独または数頭で行動
- 【冬】多くても10頭ほどで群れを作る
という特徴があります。
“bull moose・ブル・ムース”と呼ばれるオスは、毎年9~10月にメスにプロポーズするため大きな声で鳴きます。
通常は単独で行動するオスも、この時期だけは、集まってメスをめぐってツノを付き合わせて戦います。
メスは春になると体重約14キロの子どもを1~2頭産みます。
見た目が牛に似ていることもあり、
・bull moose…オスのムースのこと (bull 牡牛)
・cow moose …メスのムースのこと (cow雌牛)
・calf moose…子供のムースのこと (calf 子牛)
とも言われます。
・モー!が牛とそっくり?ムースの動鳴き声動画はこちら↓
ツノはオスだけ?生え変わるの?
動物の「角」というのは、とても不思議ですよね。
ウシの角は英語でホーン(horn)、シカの角はアントラー(antler)と呼ばれます。
サッカーの「鹿島アントラーズ」でもおなじみの言葉。
シカの角はオスにだけ生えて、毎年冬にポロっと取れ一年に一度生え変わります。
オスが角をはやしている理由は、
メスに強い自分をアピールして魅力的に見せるため!強さの象徴なのですね。
ヘラジカほど大きな角になると、全長2m以上にもなります。
実はウシの角とシカの角、いくつかの違いがあるんですよ。
シカ | ウシ | |
角の生え方 | 枝分かれしている | 曲がってはいても枝分かれはしない |
オス・メスの違い | オスにしか生えない(※トナカイだけはメスにも角が生える) | オスにもメスにも生える |
角が生える頻度 | 毎年落ちる | 一度生えたら抜けることがない |
ムース/ヘラジカは食用として狩猟も
デカい・泳げる・走りが早いとくればムースは最強に思えますが、そこは自然の食物連鎖。
ヒグマ、オオカミ、トラ、クズリといった動物に捕食されてしまいます。
またムースは、貴重な食料の一つとして狩猟もされています。
カナダをはじめ、ヨーロッパのスウェーデンとノルウェーでは、へラジカやトナカイが、ステーキ肉の定番になっています。
ムース・エルク・トナカイの違いと大きさ比較
ムースの別名として、ヨーロッパでは「エルク(elk)」と言います。
ややこしいのは、カナダなど北アメリカで「エルク(elk)」というと、
一回り小さいサイズの鹿、「ワピチ(wapiti)」を意味するところ。
《一般的な名称比較》
大きさ順 | 和名 | ヨーロッパ | 北アメリカ |
1 | ヘラジカ | エルク(elk) | ムース(moose) |
2 | アメリカアカシカ | ワピチ(wapiti) | エルク(elk) |
3 | トナカイ | レインディアー(reindeer) | カリブー(caribou) |
4 | オジロジカ | ホワイトテール(white tail) | ホワイトテール(white tail) |
理由は、最初に北アメリカではじめてアメリカアカシカをみたヨーロッパの探検家が、
ヨーロッパのヘラジカ = 北アメリカのアメリカアカシカ
と勘違いして、エルクと呼んでしまったためにこれが一般化したのだとか!
それだけ北アメリカのシカが、同じ種なのにヨーロッパと比べてデカかったということですね。
奥から、
- ヘラジカ(ムース)
- ワピチ(エルク)
- トナカイ(カリブー)
- オジロジカ
の順です。
画像引用:canada.jp
トナカイのオスは大体160~180kgくらいなので
トナカイの4倍は余裕でありますね…( ;∀;)
ちなみに日本の日本鹿(二ホンジカ)の種類は、
- エゾシカ130kgくらい
- 奈良のシカは80kgくらい
- ヤクシカ30~40kgくらい
が平均的なオスの大きさ。
ムースは奈良のシカに比べたら、8倍はデカい!と言えるのではないでしょうか。
▼詳しくはこちらもクリック▼
⇒カナダに生息するエルク(アメリカアカシカ)とは?大きさも比較!
ムースがカナダの象徴と言われる理由
突然ですが、カナダの「国獣」はどんな動物だかご存知ですか?
- 日本ならキジ
- 中国はパンダ
- オーストラリア
そしてカナダは、ビーバーとカナディアンホース(馬)です。
▼スタンレーパークで偶然見かけた野生のビーバー↓
ムースは、カナダにおいて正式な国獣と認定されてはいませんが、
野生動物の中でもカナダに数多く生息していることもあり、
ビーバーと同じように国のシンボルと言われるほど認知度が高い動物です。
>>10年ぶり大発見?!スタンレーパークのビーバー動画を撮ってきた!
▼カナダの首都トロントがあるオンタリオ州の紋章↓
一番左がムース、右が鹿、上に熊がデザインされていますね。
Echando una mano.2017.Coat of arms of the Province of Ontario (Canada).
ヨーロッパでは国獣として認定されているヘラジカ
ヨーロッパのスウェーデンとノルウェーでは、ヘラジカは「King of the forest・森の王」という異名を持ち、
国獣として正式に認定され、自治体の紋章などにも広く描かれています。
カナダの動物ムース(ヘラジカ)がでかい!大きさはトナカイの何倍?まとめ
カナダを代表する動物・ムースは
体長280cm・肩高210m・体重600kg
くらいが平均的なオスの大きさ。
トナカイのオスだと170kg・奈良のシカのオスだと80kgくらいが平均なので、
重さだけ比較しても、ムースは
- トナカイの約4倍
- 日本の鹿の約8倍
のデカさ!想像以上に巨大でした。
スウェーデンとノルウェーの国のシンボルでもあり、
カナダの州の紋章にもデザインされていて、力強くてカッコイイ動物ムース。
今までカナダのお土産として
“トナカイ”と思い込んでいたのは、実は“ムース”だった
ことも初めて気が付きました(笑)
一見区別がつきにくいですが、ヘラのような「角」を見れば一目瞭然、
これからはちゃんと説明できるようにしたいです。
一番気をつけたいのは、走行中の野生動物との衝突事故。
みなさんもカナダで運転する際は、くれぐれも安全運転でおねがいします!
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