カナダ産豚肉の味は国産ブランドよりまずい・美味しい?ポークの安全性は?
スーパーで必ず目にするカナダ産豚肉。
なかでも「ブランド化」されたカナダポークが破竹の勢いで増殖中。
カナダ産豚肉って安全性が心配だし、危険で臭い?!
はもう昔の話かもしれません。
カナダポークは安い・美味しい・安全とくれば消費者にとって嬉しいことばかり。
とはいえ、もしカナダ産と国産の値段が同じなら、
「やっぱり日本の国産豚を選ぶよね!」
という人も多いと思います。
今回は、
- 「和豚」の定義ってそもそも何?
- カナダポークが伸びている理由
- カナダポークブランドの種類
などを中心に、日本の豚肉業界の実態を探ってみました!
そもそも豚肉のブランドって何だろう?
豚肉って、本当いろいろありますよね。
ブランド(銘柄)なのか、種類なのかもあいまいだし、
名前がゴチャゴチャ乱立して、とってもわかりにくい。
国産豚か輸入豚か
牛肉って、いちおう和牛と外国産輸入牛で分れてるし格付けもあるので、区切りはつきます。
「和牛」とうたってるのは、ほとんどは純粋種ですから、わかりやすい。
でも豚肉ってどうでしょう?
「和豚(わとん)」
っていう言葉自体が、流通してないし、私は食べたことがないです。(笑)
ためしに「和豚」をネット検索してみたら、
「和豚もちぶた」
とでてきましたが、
「もちぶた」とは名前の通り、もちもちして美味しい豚という意味で、
外国産でも「もちぶた」は名前で使ってます。
以下、豚肉をカンタンに整理してみると…
もちぶた
肉質がもちもちできめ細かい豚肉の名称で、品種や肥育法ではありません。
日本で一番多く出荷されています。
国産のもちぶたも、外国産のもちぶたもあります。
黒豚
黒毛和牛が人気なように「黒豚」の人気の品種。
おもに、鹿児島や沖縄で育てられて、種としては純粋バークシャー種同士の交配から生まれた豚のこと。
ですが、同じ種をつかった「カナダ産の黒豚」もあります。
三元豚
三種の純粋種を交配させた一代限りの交雑種。
もっとも多いのは、ランドレース種、大ヨークシャー種、デュロック種を掛け合わせたもの。
最近は、黒豚のバークシャー種や金華豚などを交配させた変わり種の三元豚もジワジワ人気。
SPF豚
「SPF」とは、
Specific-Pathogen-Free(スペシフィックパソージェンフリー)
の頭文字で「特定病原体不在」という意味。
SPF豚は、豚の健康に悪影響となる、特定の病原体が存在しない健康で安全な豚のこと。
日本SPF豚協会が定めた基準で育てられていて、母豚から無菌的に取り出した子豚を種豚として人工的に育成します。
ここまでで、かなりの混雑状態でしたね。なぜなら、
- 品種
- 品質
- 育て方
がごちゃまぜになって命名されているので、
「ブランド」という確立された定義では説明できなくなっているからです。
一言で言ってしまえば
「言ったもん勝ち!」
的な。(笑)
この豚さんたちに、土地名が掛け合わさると…
- 越後もちぶた
- 房総もち豚
- 瀬戸のもち豚
- カナダもち豚
- 山形三元豚
- 米沢三元豚
- カナダ三元豚
- 岩手SPF
- 信州SPF
という、ブランド名風の名前になります。
そして、この豚さんたちに、農場主の名前が掛け合わさると…
- 平牧三元豚
- 折爪三元豚
など、もうなんでもアリ!
「ブランド豚」として確立している国産銘柄は?
ブランドのようでブランドでない、ごちゃごちゃに乱立している国産の豚肉。
しかし、中には、ブランドとして一線を置いている豚さんはちゃんとあります!!
それが、イベリコ豚とアグ―豚。
イベリコ豚
photo by comakut,2006,Carlos urbina ibéricos en Extremadura
イベリア種100%純血、または、交配させた豚(イベリア種50%以上)のうち、
スペイン政府が認証したものをイベリコ豚と言います。
イベリコ豚=「どんぐりを食べて育った豚」と紹介されることもありますが、実はこれは間違い。
イベリコ豚とは「血統」のことで、ドングリを食べて育った最高級イベリコ豚は、全体のわずか10%ほどしか出回っていません。
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アグ―豚(島豚)
600年前に中国から沖縄に渡ってきた、沖縄県の琉球在来豚。
「島豚」(しまぶた、琉球方言:シマウヮ)
とも言います。
しかし現在、アグー豚は育ちも遅いことから、純粋種はほとんどいなくなり交雑種になっているそうです。
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日本のポーク競争!カナダポークの安全性は?
〇〇三元豚、〇〇もち豚…と、「独自ブランド」と銘打って、名前が乱立している豚肉業界。
確かな品質かどうかは、消費者である私たちが見分ける必要がありそうですね。
豚肉業界は、和牛業界のように「格付け」で厳格に決められていないですし、
「和豚」という定義もあいまい。
そして今、味も見た目も国産とかわらないブランド展開で、どんどん伸びているのが
カナダ産の「カナダポーク」
です!!
でも、なぜここまでカナダポークが伸びてきているのでしょうか。
カナダポークは日本と同じ三元豚
カナダポークが人気の理由は、まず種が日本と同じ三元豚が多いということ。
エサも同じようにトウモロコシや麦を使って、
カナダの自然豊かな環境で豚にもストレス無く育てられています。
チルド技術の向上でより美味しく
最近は、チルド(冷蔵)技術が飛躍的に上がり、冷凍しなくてもお肉を大量に輸入できるようになりました。
しかも、チルドは味が劣化するどころか、運んでくる間が熟成期間になり、もっと柔らかく美味しいお肉になります。
牛肉の熟成肉を“エイジド(エイジング)ビーフ“といって、
「エイジドビーフ・レストラン」が流行るのもうなずけますね。
エイジドポーク・レストランもこれから人気が高まりそうです。
カナダポークの安全性は?
一度も冷凍せずに5,000マイルも離れたカナダから日本にお肉が届く時代。
一番気になる安全基準はというと、カナダポークは食品衛生管理において国際標準の品質管理や追跡システムで管理されていて、
じつは、日本よりはるかに厳密なルールで管理されています。
カナダポークは国産より3割近く安い価格、同じ味でより美味しく、そして安全であれば、
消費者がどちらを選ぶかは、考えるまでもありませんね。
カナダポークの安全性について詳しくはこちら
カナダポークはTTPが追い風に!
カナダポークといえば、
の11カ国が参加する、
環太平洋経済連携協定(TPP=Trans-Pacific Partnership Agreement)
(国内通称: TPP11)
の発行で、カナダの輸出業者にとっては
- 牛肉、豚肉、小麦、キャノーラ油
などに対する日本の輸入関税が引き下げられるため、ますます期待感が高まっています。
カナダの豚肉の関税ってどうなってるの?
農林水産省がまとめたTTPの資料によると、日本で流通している輸入豚肉のシェアは
2位)カナダ… 19%
3位)デンマーク…16%
(2013年度)
TPP交渉結果により、ハムやベーコン・ソーセージなどの加工品も含めて
今まで、カナダの豚肉に最大20%も価格に上乗せされていた「関税」が段階的に撤廃されることになります。
しかも、アメリカがTTPから離脱したため、カナダにとってTPPは、日本市場のシェアをアメリカから奪う絶好のチャンスという追い風に。
カナダの牛肉も豚肉も、これからどんどん日本市場を独占していく可能性が大ですね。
消費者の私たちにとっても、お肉の値段が下がるのは単純にウレシイですよね。
TPPとTPP11の違いや詳しい解説はこちら
カナダ産豚肉ブランドの種類をしらべてみた
では、日本で出回ってる「カナダポーク」のブランドはどんな商品があるのか紹介します。
調べると、出てくる出てくるカナダポークブランド。
あなたも一度はお目にかかったことがあるはず。
➀ 「カナダ大麦豚」
原産地 | カナダ |
生産 | カナダ政府認証の厳格な規格に基づいた、契約農家100%の豚 |
飼料(エサ) | カナダ東部で採れる大麦 |
日本ハムが手掛けるブランド
「カナダ大麦豚」。
カナダの広い大地と澄んだ空気のもとで育った豚は、暑さに弱い豚にとってストレスが少なく快適な環境です。
豚のエサは基本的にトウモロコシですが、
トウモロコシにはコーン油が含まれているので、コーン油のリノール酸が豚の脂の品質を下げます。
いっぽう、イモや麦類には油がほとんど含まれていないため、白い上質の脂になります。
日本でも 麦豚、イモ豚などとして「飼料によるブランド化」をしている農家もいらっしいます。
➁「ハーブ三元豚」
原産地 | カナダ・マニトバ州 |
生産 | 3つの原種豚(ランドレース・ラージホワイト・デュロック) |
飼料(エサ) | 大麦を中心にトウモロコシ、オレガノやシナモンなどのハーブを追加 |
プリマハムがカナダのHyLifepork(ハイライフポーク社)と提携したブランド
「ハーブ三元豚」。
スーパー大手のイオンで取り扱いが多い商品で、飼料配合から加工までをカナダで行っています。
➂「麦のはぐぐみ豚」
原産地 | カナダ |
生産 | 100%契約農家で、異物混入対策としてX線・金属探知機を導入 |
飼料(エサ) | 麦類が中心 |
カナダMAPLE LEAF社のブランド
「麦のはぐくみ豚」。
麦類を中心としたエサで「しまりのある肉質」「白上がりの脂質」のさっぱりとした味が特徴。
日本の外食レストランやとんかつチェーン店を中心に卸をしています。
➃ 「麦うらら三元豚」
原産地 | カナダ |
生産 | 3つの原種豚(ランドレース・ラージホワイト・デュロック) |
飼料(エサ) | 大麦、小麦など |
種豚~食肉加工までカナダのHyLifepork(ハイライフポーク社)が手掛けるブランド「麦うらら三元豚」。
国産豚よりも、甘み・旨みの元になるアミノ酸や、飽和脂肪酸・オレイン酸が豊富で、味わい豊かで食べやすい豚肉です。
➄ 「ケベックの恵み」
原産地 | カナダ・ケベック州 |
生産 | 農協組織コープケベック(La Coop Federee)が全工程を一括管理 |
飼料(エサ) | 麦、トウモロコシ、ペパーミントなど |
《高級三元豚》として名高い、業務用でも人気の「ケベックの恵み」。
うまみ成分が強く、まろやかな味です。
↓「ケベックの恵み」は通販でとんかつ用としても人気↓
➅「小麦のブラン三元豚」
原産地 | カナダ |
生産 | 三元豚 LWD(Lランドレース、W大ヨークシャー、Dデュロック) |
飼料(エサ) | 製粉前の小麦が半分以上 |
スターゼン社がカナダ・オリメル社と共同開発した「小麦のブラン三元豚」。
エサの製粉前の小麦は、豊富なミネラルを含む小麦ふすま(ブラン)を与えることで、豚への健康効果が期待できます。
あっさりとした中にコクがある日本人好みの霜降りが特長です。
カナダの豚肉は国産より味はまずい・美味しい?
「カナダ産豚肉」の味の評判はどうでしょうか?
一言で「カナダ産豚肉」といっても、先ほどのように「ブランド化」されたカナダポークもあれば、
加工段階によってブランドのロゴシールが無いような「安いカナダ産豚肉」もスーパーでは多く売られています。
意見はさまざまありますが、やはりカナダポークは「安さ」というのが一番の魅力のようです。
コストコのおすすめ豚肉!
カナダ産三元豚は徹底管理された工場で育てられた栄養たっぷりの豚肉です
バーベキューやアウトドアにぴったりなんです。https://t.co/aKcgMWa6I2
— コストコ食品 (@Nichola38289728) 2019年1月28日
カナダ産ポークと国産黒豚であまり味の差がわかりません()
— chiro@栗餡白玉どら焼 (@lab324) 2018年9月1日
やばっ
めっちゃうまうまやった💯
スペアリブは程よく味が染みてて
隠し味のハチミツが👍🏻
サムギョプサルは筋多くて切るの大変だたけどカナダの三元豚甘みあって、適当に作ったお味噌&コチュジャンとごま油&塩胡椒でいつものお店の味に!もう新大久保行かなくてもいいかも )^o^( pic.twitter.com/QP0uiv4Iqm— Love❤︎ (@loveuknowmlf) 2017年5月4日
畜産業者さんによると、豚肉の味は、餌で大きく変わるそうだ。残飯を食わせて旨いワケがない、一番旨い豚肉は、米国やカナダの配合飼料で育てた豚肉、国産なら、残飯でない、サツマイモとかを与えたブランド豚。輸入豚肉は、まず外れがない、って業界人の意見。国産養豚は、TPPとか関係無く絶滅か
— agroecotech (@agroecotech) 2013年3月13日
コストコ大好きで、お肉もいろいろ買ったけども、
国産鳥と国産豚がおいしいアメ牛は、あんまし香りが好きじゃないんだよな~
まずいとか古いとかじゃなくて、クセの問題だなカナダポークは歯切れがよくて柔らかくて美味しいけど、後味がホエイっぽかったから、やっぱり国産がすき…
— もぐもぐだいすき (@coscostococo) 2018年12月7日
カナダ産豚小間切れが見切り品で100g39円。こんなの鶏胸肉より安いじゃん!と感謝感激しながら買ったのがこの土日最大のイベントであった。 pic.twitter.com/XSgH1Ua65j
— がけ (@gakejp) 2019年1月27日
カナダ産豚肉の味はまずい・美味しい?ポークの安全性まとめ
日本で販売されているカナダ豚肉のブランド、たくさんありましたね~!
スーパーで一度は見かけたことがあるものばかりだったと思います。
もちろんこれが全部ではないので、調べればまだまだありそうですし、
これからも新しいカナディアン・ポークブランドが生まれそうです。
カナダポークの全体的な特徴としては、日本でも人気の「三元豚」が多く、
エサはトウモロコシだけでなく、よりお肉を引き締めて美味しくするために、
《麦》や《ハーブ》を多く配合している場合が多かったですね。
消費者の私たちからすれば、より美味しく、安全で、安くなるなら嬉しいこと。
国内の豚肉業界も、カナダポークのような海外産に負けないように、
霜降り和牛ならぬ《霜降り和豚》とか、どうでしょうか (笑)。
これからの和豚産業の展開にも、目が離せませんね!