カナダ産豚肉(カナダポーク)の安全性と特徴!危険なホルモン剤は大丈夫?
現在日本で食べられている豚肉のうち、約50%以上は輸入品の豚肉というのはご存知ですか?
アメリカ産・カナダ産・スペイン産など、スーパーに行くと世界各地の豚肉に出会えます。
100gあたり70円とか80円、国産より圧倒的に安い価格。
「やったー今日は豚肉が安い!まとめ買いして冷凍しておこう♪」
と手に取ったものは、ほぼ外国産の豚肉、中でもカナダ産の豚肉が多いと思います。
安く購入できるのは嬉しいですが、一番気になるのは、お肉の安全性ではないでしょうか。
「外国産のお肉って“危険・臭い・まずい”し、やっぱり国産に限るよね!」
なんて意見の人も、中にはいらっしゃると思います。
今回は、カナダ産の豚肉について
- 日本で売られているお肉の安全性はどうなの?管理体制は
- どうして安くできる?カナダポークの特徴
などを中心に、カナダポークについて調べてみました。
カナダ産豚肉の特徴&安全な理由
カナダ産の豚肉=カナダポークは、
「カナダポーク品質保証マーク」(VCP: Verified Canadian Pork )
のロゴが目印。
じゃぁ、具体的にカナダポークって安全性はどうなの?という点ですが、
結論から言うと、
「カナダポークの安全性はかなり高い、安心して食べられる豚肉」
と言えると思います。
その理由は大きく次の3つ、
1) 国際基準の品質管理体制が整っている
2)トレーサビリティがカナダの法律で定められている
3)ホルモン剤・ラクトパミン不使用で安全
具体的に見ていきましょう。
1)品質管理の体制が整っている
豚肉に限らず、どんな輸入肉にも言えることですが、
畜場 → 加工工場 → 倉庫 → 輸出
という過程においては、
品質の安全を保つため「HACCP」などの、第三者機関による審査を定期的に受けることが義務付けられています。
HACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point・ハサップ)は、食品衛生管理の国際標準。
1960年代にアメリカで宇宙食の安全性を確保するために考案された衛生管理の手法が原型。
カナダポークは、HACCPの理念に基づいて
- 物質的(折れた針の破片など)
- 化学的(残留医薬品など)
- 生物学的(サルモネラ菌・寄生虫類など)
などの危険因子を取り除き、安全性を確保しています。
2)トレーサビリティー(traceability)
トレーサビリティ( traceability)とは、「追跡可能」という意味の流通用語。
物品の流通経路を生産~最終消費段階・廃棄段階まで追跡が可能なシステムを確立している状態をいいます。
カナダでは2014年から北米国で唯一、法制化されたトレーサビリティーシステム (PigTrace Canada)として、肉豚を個体識別までできるよう全生産者に義務付けています。
万一問題が発生した場合は、どこの農場から、どこの加工工場でいつ・どんな処理をされたのかなどを辿っていくことができるので
問題の元凶を早期に突き止めることができるのです。
3) ホルモン剤・ラクトパミン不使用で安全
牛や豚を育てるときに使われるホルモン剤やラクトパミンという薬剤。
どちらも成長を促す「肥育ホルモン・成長ホルモン」などと言われ、
アメリカなど政府認可を受けて使用している国もあります。
しかし日本では、そもそも肥育目的として「肥育ホルモン」自体が法律で承認されていないため、
ホルモン剤=「何となく怖い・体に有害なもの」
というイメージがあるのではないでしょうか。
体に有害なのか無害なのかの安全性については、しばしば国会審議などでも取り上げられ、未だ賛否両論あり、白黒ははっきりしていません。
ただ、カナダポークについては、
- 成長ホルモン不使用
- ラクトパミン不使用
を明確に打ち出しています
《成長ホルモン不使用について》
カナダの養豚業者は、一切成長ホルモンを使用していません。《ラクトパミン不使用について》
ラクトパミンは、増体重、飼料効率や赤身肉割合の向上を可能にする畜産薬剤であり、価格競争のために北米では政府認可を受けて使用されていますが、人体に対して有害な影響を及ぼす恐れがあることや肉質が硬くなることを避ける為、生産者及びカナダポーク・インターナショナル(CPI)輸出メンバーは自主的に使用を取りやめました。[引用:カナダポークジャパン]
カナダ産豚肉が安くできる理由3つ
安心で安全性が高いカナダポーク。
輸入コストがかかればその分高くなるはずなのに、どうして国産より安く購入できるのでしょうか。
それは、カナダという国が養豚に最適な次の3つの環境が整っているからです。
1)土地と風土に恵まれている
2)エサ代が安くできる
3)加工工場の生産性が高い
1)土地と風土に恵まれている
自然の澄んだ空気と水、寒冷な気温・広大な土地で飼育密度が低いため、
豚の病気の発生や感染が起こりにくい環境で育てることができます。
2)エサ代が安くできる
カナダポークは、主に日本と同じ「三元豚(さんげんとん)」という、
三種類を掛け合わせた品種豚が特徴で、エサはトウモロコシや麦が中心です。
日本の養豚場の多くは輸入に頼っているため、輸送コストで価格が決まると言っても過言ではありません。
その点、カナダは土地が広大で自然豊か。
コーン、小麦、大麦など豚の代表的なエサは全て収穫できるため、輸入に頼らず自国で飼料がまかなえてしまうのです。
3)加工工場の生産性が高い
加工工場の生産性も豚肉の価格に大きく影響します。
日本は土地代も高く国土も比較的小さいため、養豚場や加工工場も狭く小規模なもの。
結果、一日に処理できる頭数に大幅に開きが出てしまうため、
海外と日本とでは、生産性に何十倍もの大きな差が出てしまうのです。
また、カナダポークは、すでに日本市場では50年以上の取引の歴史があり、チルド(低温冷蔵)技術も進んでいます。
世界の中でも、味や見た目にうるさい日本の消費者をずっと満足させ続けていることは、
カナダの業者も、常に肉質を改良する努力を続けているということです。
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結論!カナダ産豚肉は安全・安心・安い・美味しい!
カナダポークの勢いが止まらない?!味の口コミやニュースを紹介しましょう!
《カナダポークが、すごい勢いで伸びている》
和牛と輸入牛にあるような決定的なちがいは和豚と輸入豚にはなく、味も見た目もほとんど差がないところを突いた会心のブランド展開、破竹の勢いで伸びています。
エキサイトニュース・2017年5月31日付より抜粋
《大手商社・海外産豚肉をブランド化 売り込み競争激化》
エサの配合や交配を工夫・高品質で低価格。伊藤忠商事は、カナダのハイライフ社がマニトバ州で生産している豚肉を輸入し、関連会社のプリマハムと共に「ハイライフポーク」として展開中。
毎日新聞・2018年6月13日付より抜粋
グラム80円の肩ロースで(カナダポーク)これならじょうとーう。 pic.twitter.com/Jx5fwRDY2B
— 愛染鱧子 (@hamokko) 2018年7月8日
焼いたり茹でたりしなくても脂が溶けるソーセージ、食べたことある?
⇒https://t.co/GkrjWlczqK
カナダでのびのびと育ったカナダポークの絶品ソーセージ!@CanadaNihon pic.twitter.com/nwT7Wmd9C0— 手土産・ギフト情報配信中@ippin(イッピン) (@ippintw) 2017年11月28日
カナダポークはかなり国産の豚肉の味に近くて美味しいよね、最近よく出回るようになった。
— MOGU`s 🐺 (@take41) 2017年11月10日
▼カナダポーク公式インスタでは美味しいレシピも多数紹介中!
カナダ産豚肉・TTPでより価格が安く!関税はどうなる?
2018年12月30日アメリカの離脱後、TPP(環太平洋パートナーシップ)が11ヶ国の間で、TPP11としてスタート。
これによって、カナダから日本に輸出される牛肉・豚肉の関税は大幅に引き下げられることが決定しました。
具体的には
・牛肉の関税は、38.5%から段階的に9%へ引き下げ
・豚肉の関税は、お肉は一部従価税を撤廃、ハムなどの加工品は、段階的に完全に撤廃
などなど。
⇒TPPをわかりやすく!輸入肉が安くなる理由&メリットデメリットも!
質の高い豚肉を日本に輸出することができる国は、カナダ、アメリカ、メキシコだ。2019年1月には、カナダ産チルドポークの日本市場でのシェアは48%、アメリカ産は49%で、今後はナンバーワンも視野に入ってきたと自信を見せている。連邦政府の試算では、TPPにより、日本向けは金額ベースで今より36.2%増加するとされている。
つまり、日本の豚肉輸入国の1位のアメリカと、2位のカナダの長年の順番が逆転し、
将来は、カナダが日本の豚肉輸入国第1位になる可能性が非常に高いということですね。
日本の消費者にとっては、単純にカナダ産豚肉の価格がもっと安くなるので、ありがたい話ですよね!
輸入豚肉の国別の割合
実際に、日本で食べられている輸入の豚肉の、国別の割合をみてみると…
独)農畜産業振興機構「カナダの豚肉産業の現状と今後の見通し」を参考に作成
2015年時点ではアメリカが約30%ついでカナダが約20%、
2017年の時点では、豚肉輸入量が過去最高ペースで増え続け、年間90万トンを初めて突破。
アメリカ産豚肉と違って、カナダ産豚肉は、なんといっても
「成長ホルモン剤不使用」
を明確に打ち出しているので、TTPの追い風もあり
今後は日本にとって、豚肉輸入国第一位がカナダになる可能がますます高まりそうですね!
まさか…食肉産業は「抗生物質まみれ?!」
さいごに、「豚肉の安全性」というと、ホルモン剤の次にでてくる不安ワードが
「抗生物質(こうせいぶっしつ)」。
最初にお伝えしなければいけませんが、
抗生物質は残念ながら世界中どこの国も、豚にも牛にも鳥にもあらゆる食肉に使用されています。
え!こわい!じゃあもうお肉は一切は食べない!
と思われて、ちょっと誤解されると嫌なので、「抗生物質」についてもう少しお話ししますね。
抗生物質とは、抗菌剤として元々カビから発見された成分で、細菌の繁殖を抑えてくれる物質のこと。
私たち人間も病院でお薬を処方されたり点滴をしますが、それもいわゆる「抗生物質」なんです。
抗生物質を家畜に使用する目的は2つ
1)家畜を早く太らせて生産性をあげること
2)病気が拡がりやすい過密状態で不衛生な条件下で飼育しても、健康を保つこと
生まれたての豚さんたちは、エサなどでまず抗生物質を摂取させて、細菌の感染や増殖を未然に防ぎます。
なぜ健康な豚に抗生物質をわざわざ投与するの?と思われるかもしれませんが、
とくに日本の養豚場ってすごい高密度でぎゅうぎゅう詰めにして飼われているので、
一頭が感染すると、あっという間に病気が広がってしまいます。
人間に例えると、インフルエンザやノロウイルスのようで、抗生物質=予防接種のようなものですね。
お肉に抗生物質の残留を残さず、安全に出荷するという規制は、世界中どこの国も厳しく決められているので、
あくまで個人的な意見ですが、あまり心配する必要はないかな…?とは思います。
ただ、不安要素としてはこんなニュースもありました
世界の食肉需要の急増を受けて、豚肉、牛肉、鶏肉に含まれる抗菌薬が大幅に増加していることが、明らかになった。
それでも、より多くの消費者が抗生物質を使わない肉を求めない限り、食肉業界が変わることはないように思われる。
アメリカでは抗生物質の使用増加に歯止めをかける法整備もほとんど行われてこなかった。中国では規制する法律すら存在しない。
[2018年03月06日 ハフポスト-アメリカ産の肉に抗生物質入りが急増している-]
抗生物質の使用は今のところ、どんなお肉に対しても全世界共通で使われています。
ただし、世界でも抗生物質は「人類の健康を脅かすもの」としてたびたび問題視する声もあるので、
完全なオーガニック製品だけをこだわって選ぶ人もいますし、そこは個人的な価値観でお肉を選んでいくしかないですね。
↓日本でも抗生物質を一切与えない完全薬剤不使用で育てたオーガニックポークはあります↓
カナダ産豚肉(カナダポーク)の安全性と特徴!危険なホルモン剤は大丈夫?まとめ
カナダポークは、“危険・臭い・まずい”どころか、
- 管理体制が整った環境で安心
- 成長ホルモン剤は不使用で安全
- 自然や風土が適しているため高品質なのに安い
- 日本と同じ三元豚という品種が主流なので、見た目の差もなく味も美味しい
など最高の条件がそろった輸入豚肉と言えそうです。
カナダの大自然が育んだおいしい豚肉、ぜひ私もこれから安心して食べたいと思います!
カナダポークジャパン:http://www.canadapork.com/japan/