カナダの動物シンボル!ビーバーが国獣になった理由【動画あり】
「カナダのビーバー」といえば、
カナダ・オンタリオ州出身のミュージシャン、
ジャスティン・ビーバー・Justin Bieber!
— Justin Bieber (@justinbieber) 2018年1月7日
タテゥーの人間ビーバーさんもすごい人気ですが…
動物のビーバー・beaverはもっとすごい!
カナダ発祥アパレルブランド・ルーツ(Roots)のロゴだったり↓
カナダ発祥の食べ歩きスイーツ「ビーバーテイルズ(BeaverTails)」の発想元になっていたり↓
5セントコインにデザインされてたり↓
そしてなんとビーバーは、
カナダの「国獣=(こくじゅう・国を象徴する動物)」にも指定されています。
つまり、日本だと「キジ」、中国だと「パンダ」、オーストラリアなら「カンガルー」レベルの存在感!
…でも、なぜカナダはビーバーだったんでしょう。
ビーバーが、カナダのシンボルとされるようになったのは、いつからなのか、歴史や理由など調べてみました!
バンクーバーのスタンレーパークに野生のビーバー出現!【動画】
カナダには自然の多い場所で野生のビーバーは生息していますが、基本的にはとても貴重な動物です。
ましてや、都市部のダウンタウン付近で見られることは滅多にありません。
ところが!
ところが!!
出会えました野生のビーバー!カワ(・∀・)イイ!!
し・か・も…
スタンレーパークにいましたよ~!
動画も撮ってきたのでその可愛い姿、ぜひ見てください(*’ω’*)
※ちなみに初ユーチューバー(笑)動画です。ちょっと画像がズレてますけどそこはご了承ください…。
人間に慣れているのでしょうか?
近くまで寄っても警戒する気配なし、ひたすらむしゃむしゃ食べてます。
ビーバーレイク(ビーバー湖)にビーバーはいない?!
今回ビーバーを見つけたスタンレーパーク(Stanley Park)は、
バンクーバーのダウンタウンにある市民の憩いの場。
約400ヘクタール・外周10㎞もある海沿いにある広い公園です。
今回ビーバーを見つけたのは、スタンレーパークの「Lost Lagoon/ロストラグーン」という湖。
スタンレーパークにはもともと「Beaver Lake/ビーバー湖」という湖もあり、
名前の通りかつては沢山ビーバーが生息していました。
しかし、現在は次の通り。
スタンレーパークの「ビーバー湖」には、皮肉なことにほとんどビーバーは生息していないと考えられます。
(1948年から)2008年までの60年間で、発見されたビーバーはたったの5件しか報告がありません。
ということは…
もしかして10年ぶりの大発見!?
だったかもしれません( ;∀;)!
ビーバーの生態
ビーバーは生物学上「齧歯(げっし)目ビーバー科」に分類される生き物の総称。
齧歯(げっし)の動物とは、リスやネズミ・ウサギに代表される、モノをかじるのに適した鋭い前歯を持つ小型の哺乳類の事です。
ビーバーの和名は…
「海狸」=うみだぬき!
なんですってww
名 前 | ビーバー(Beaver) |
分 類 | 齧歯(げっし)目・ビーバー科 |
英 名 | アメリカビーバー(American Beaver)
※ユーラシアには別種のヨーロッパビーバーが分布 |
学 名 | Castor canadensis |
和 名 | 海狸(かいり・うみだぬき) |
分布域 | 北アメリカ大陸 |
生息環境 | 河川や湖など |
食べ物 | 樹皮(ヤナギ、カエデ、ポプラ、ブナ、カバ、ハンノキなど)、樹木の葉、水草など |
体 長 | 70~90cm 程度 |
体 重 | 平均20~25kg 程度、大きなものは40kg以上も |
寿命 | 飼育下では20~25年、野生では15~20年程度 |
尾っぽの長さ | 20~40cm 程度 |
アメリカビーバーは、カナダからメキシコまでの北アメリカの森林地帯の河川や湖などに広く生息しています。
あまり大きくないイメージがありますが、尾の長さを合わせると1m以上あり、
齧歯目の中でも大型で、カピバラの次に大きな種になります。
体毛が長く、水の中でほとんど過ごしますので、岸などに上がっても水辺から遠く離れることはありません。
特徴的なのは長い尾っぽ。
尾にはほとんど毛がなく、広くて平らなうころ状になっていて、尾っぽでボートを漕ぐようにして泳ぎます。
ビーバーはダム作りの名人
またビーバーといえばダム作りの名人という異名があります。
強靭な前歯で、直径20センチくらいの木でも簡単に倒し、川をせき止めて水の流れを変えるほど大きな木のダム(巣)を作ります。
出入口は水中に作られていて中は空洞になっているので、天敵は入っていけない作りになっています。
この仕組みを、全て生まれながらにして本能的に受け継ぎ作り続けているというから驚き。
まさに職人技!(*’ω’*)
2011年時点で確認された世界最大のビーバーのダムは、
カナダ・アルバータ州のウッド・バッファロー国立公園内で発見されたダムで、長さはなんと850m!
40年以上も前から建設が始められ、数世代にわたって拡張され続けているダムと言われています。
▼湖の上に小島のように浮かぶバッファロー公園のビーバーの巣。
「LARGEST BEAVER DAM IN THE WORLD(世界一のビーバーダム)」
で検索すると、グーグルマップにもでてきます↓
ビーバーのダムは、かつては川の環境を破壊すると考えられていたので、
ビーバーは悪い動物と長年言われていました。
ところが研究が進むにつれて、実はビーバーのダムは
- 水鳥など森の草食動物にとって貴重な食事提供の場所になっている
- 池に水草が生えるなど、水質向上に大事な役割をしている
ということが明らかになりました。
ビーバーは悪い動物どころか、自然を守り、環境多様性に大きな役割をすることが分かったのです。
これを重要視して、今は国をあげて保護活動が行われています。
カナダを象徴する動物・ビーバー
「国獣・こくじゅう」とは、その国の象徴・シンボルとなる動物(鳥類や魚類も含む)のこと。
日本の国獣は、鳥なら「キジ」・魚は「錦鯉(にしきごい)」、
カナダは1975年から、ビーバーを国獣(Official Emblem of Canada)に認定しています。
ビーバーがカナダの国獣に選ばれた理由
16世紀以降、ヨーロッパの人々は、豊富な資源を求めて現在のアメリカやカナダの北米諸国を次々と開拓してきました。
その中でも特に重宝され、高値で取引されたのが、
「ビーバーの毛皮」
だったのです。
ビーバーの毛皮は柔らかく、かつては“ビーバー・ハット (beaver hat)“と言われ、帽子の材料として使われていました。
17世紀以降作られるようになったビーバーハットは、当時の紳士には必携アイテムの帽子で大流行したそうです。
ビーバーを捕獲し帽子を製造することが、当時の人々の仕事の中心・生活の基盤となっていました。
つまり、
ビーバーの存在無くしてカナダの発展はなかったかもしれない、といっても過言ではないのです。
毛皮だけでなく食肉としても人気があったビーバーは、
人間に乱獲された結果、19世紀前半頃には絶滅寸前まで減少してしまいます。
追い打ちをかけるように、ヨーロッパではビーバーハットの代わりに素材の主流は「シルク」に移り、ビーバー需要は激減しました。
アメリカやカナダで保護法が成立したこともあり、ビーバーの乱獲時代は終了、
そんな歴史的背景もあり、ビーバーはカナダの国獣となったのです。
カナダの動物のシンボル!ビーバーが有名な理由まとめ
ビーバーがカナダの国獣となったのは、納得の理由がありましたね。
人々の生活も、自然の環境も実はしっかりと支えてくれる存在だったビーバー。
人間によって一時は絶滅寸前にまで追いやられてしまい、現在も油断はできない状況です。
カナダにもしビーバーがいなかったら、今も未開拓のまま、そしてもっと自然破壊も進んでいたかもしれない…
と考えると、国獣として大切に守っていくのは当然ですね。
スタンレーパークにも、もっとビーバーがたくさん戻ってくるよう祈るばかりです。